ベランダにウッドデッキは設置できる?メリットやデメリット、注意点を解説
本記事では、ベランダにウッドデッキを設置する際の注意点やメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
ベランダにウッドデッキは設置できる?
ベランダにウッドデッキを設置する際には、いくつかの要因を考慮する必要があります。ベランダにウッドデッキは設置できる?
ここでは、ベランダへのウッドデッキ設置の可否や、注意点について詳しく見ていきましょう。
設置できる
独結論から言えば、ベランダにウッドデッキを設置することは可能です。
ウッドデッキといえば地面に直接設置するタイプをイメージする方もいるかもしれませんが、ベランダに設置できるタイプのウッドデッキも存在します。
これらは特別な工事を必要とせず、簡単に設置できるものが多いため、DIY愛好家にも人気です。
ただし、設置の際には建物の構造や管理規約などを確認する必要があります。
マンション・集合住宅の場合は注意が必要
マンションや集合住宅にウッドデッキを設置する場合は、いくつかの注意点があります。
まず、マンションのベランダは共用部にあたり、万が一の際には避難経路としての役割を持ちます。そのため、ウッドデッキを設置する場合は、避難の妨げにならないよう配慮しなければなりません。この点を考慮すると、段差の少ないジョイントタイプのウッドデッキが適しています。
また、マンションや集合住宅では、管理規約や使用細則でベランダの利用について制限がある場合があります。とくに工事を伴う場合は、管理組合や大家に事前に相談し、承認を得る必要があります。これらの手続きを怠ると、後々トラブルの原因になる可能性があるので注意しましょう。
ベランダへの設置ができるウッドデッキ
ベランダにウッドデッキを設置する際には、様々な選択肢があります。それぞれのタイプや材質によって特徴が異なるため、自分のニーズや環境に合った最適なものを選ぶことが重要です。ベランダへの設置ができるウッドデッキ
ここでは、ベランダへの設置に適したウッドデッキのタイプと材質について、詳しく解説していきます。
設置タイプ
ウッドデッキの設置タイプは大きく分けて「ジョイントパネルタイプ」と「基礎を設置するタイプ」の2種類があります。
それぞれの特徴や注意点について詳しく見ていきましょう。
ジョイントパネルタイプ
ジョイントパネルタイプは、パネルをはめ込んで敷いていくタイプのウッドデッキです。このタイプの最大の特徴は、その簡便性にあります。
工事は不要で、複数のパネルを繋ぎ合わせていくだけなので、DIY初心者でも比較的簡単に設置することができます。そのため、マンションや集合住宅でも気軽に導入できるのが魅力です。
また、必要に応じて簡単に外すことができる点も、ジョイントパネルタイプの大きな利点です。これにより、定期的な掃除や点検が容易になります。
基礎を設置するタイプ
基礎を設置するタイプでは、バルコニーの床部分にデッキの支え(金具やアルミ材など)を取り付け、その上にデッキを施工します。
このタイプは、より安定した構造を実現できるのが特徴です。また、設置時に高さを調整することで、部屋と同じ段差に揃えることもできます。これにより、室内からベランダへのスムーズな動線が確保でき、空間の広がりを感じやすくなるでしょう。
一方、支えとなる金具はベランダに専用の接着剤で固定するため、ジョイントパネルタイプのように安易に取り外すことは困難です。
材質
ウッドデッキの主な材質は「天然木」「人工木」「塩化ビニル」の3つが挙げられます。自分のライフスタイルや好みに合った材質を選ぶことで、より満足度の高いウッドデッキライフを実現できるでしょう。
以下で、それぞれの材質の特徴を紹介します。
天然木デッキ
天然木デッキは、自然の風合いと温かみが魅力の材質です。樹脂製とは異なり、天然の色むらや経年変化を楽しむことができるのが特徴です。天然木デッキの魅力は、樹種によって異なる特長を持つ点にあります。代表的な樹種と特徴として、以下の3点を紹介します。
チーク材:高級感があり耐久性に優れる
イペ材:硬く、水に沈むほど密度が高い
レッドシダー:レッドシダーは腐りにくく防虫作用を持つ
人工木デッキ
人工木デッキは、木粉に樹脂を配合して木材に似せて加工された人工素材です。天然木の風合いを再現しつつ、耐久性や管理のしやすさを向上させた材質といえます。人工木デッキの最大の特徴は、その耐久性の高さです。経年劣化の進行が遅く、腐食やシロアリ被害も少ないため、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。また、湿気の影響を受けにくいため、変形や反り返りが少なく、見た目の品質を長期間保つことが可能のです。
さらに、人工木デッキは意匠性も高く、様々な色や木目のパターンから選ぶことができます。
塩ビデッキ
塩ビデッキは、プラスチックの一種である塩化ビニルを主原料としたデッキ材です。
塩ビデッキの最大の利点は、その防水性にあります。雨水が浸水することがないため、木材のように腐ることがありません。この特性により、デッキ同士の隙間を開けずに設置することも可能です。
また、隙間がないことで、デッキの下にゴミやホコリが入らないため、掃除の手間が大幅に減ります。
しかし、紫外線の影響による劣化には注意が必要です。
ベランダにウッドデッキを設置するメリット
ベランダにウッドデッキを設置するメリット
ベランダにウッドデッキを設置する主なメリットは、以下のとおりです。
- ベランダの使用用途が広がる
- ベランダの劣化を防げる
- 温かみのある空間を演出できる
順番に見ていきましょう。
ベランダの使用用途が広がる
ウッドデッキを設置することで、ベランダの使用用途が大きく広がります。
これまで、洗濯物を干したり、物を置いたりする程度の利用に留まっていたベランダも、ウッドデッキを設置することで部屋の延長として使うことが可能です。
開放的なアウトドアリビングとして、くつろいだり、子どもの遊び場として活用したりと、家族全員が楽しめる空間となるでしょう。
また、ウッドデッキを設置したベランダは、気軽に屋外での飲食を楽しむ場としても、最適です。友人を招いてバーベキューパーティーを開いたり、夕涼みをしながら軽い食事を楽しんだりと、使い方はさまざまです。
ベランダの劣化を防げる
ウッドデッキを設置することで、ベランダの床面を保護し、劣化を防ぐことが可能です。
マンションのベランダの床は通常、防水加工が施されています。しかし、この防水加工も、強い紫外線や、清掃時のたわし、高圧洗浄機など、様々な要因によって剥がれてしまいます。防水効果が薄れた状態で放置すると、雨水がベランダ床面から浸透し、雨漏りの原因となる可能性があるのです。
しかし、ウッドデッキを設置することで、これらの問題を軽減できます。ウッドデッキが直射日光や物理的な接触から床面を守るため、防水加工の寿命を延ばすことができます。
温かみのある空間を演出できる
ウッドデッキを設置することで、ベランダに温かみのある空間を演出することができます。
広いバルコニーにテーブルやグリーンを置く方も多いですが、床が無地だとくつろぎにくいと感じることもあるでしょう。ウッドデッキを敷くと雰囲気が一気に変わり、リラックスしやすい、暖かい雰囲気を作り出すことが可能です。
カーテンを開けたときの景色も大きく変わるでしょう。とくに、フローリングの部屋とウッドデッキのベランダに統一感があると、空間が広く感じられるようになります。
しかし、ウッドデッキを設置することで、これらの問題を軽減できます。ウッドデッキが直射日光や物理的な接触から床面を守るため、防水加工の寿命を延ばすことができます。
ベランダにウッドデッキを設置するデメリット
ベランダにウッドデッキを設置するデメリット
ウッドデッキの設置には多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。
- 定期的なメンテナンスが必要
- ゴミや水が溜まりやすくなる
- コケやカビが生えやすくなる
- 防水工事に合わせて取り外さなければならない場合がある
これらのメリット・デメリットの両方を事前に理解し、適切に対処することで、より快適なウッドデッキライフを楽しむことができます。
定期的なメンテナンスが必要
ウッドデッキを長期間美しく保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
とくに天然木を使用したウッドデッキは、雨風や日光にさらされるため劣化しやすい傾向があります。天然木は水分を含みやすく、温度変化により伸縮しやすいため、時間の経過とともにヒビが入りやすくなります。また、腐りやすく虫が湧きやすい点にも注意してください。
これらの問題を防ぐためには、定期的な掃除や苔の除去、塗装の塗り替えなどが必要となり、メンテナンスの手間がかかります。
メンテナンスが億劫に感じる場合は、できるだけ長持ちしやすく、手間が少ない材質のものを選ぶことをおすすめします。例えば、人工木や樹脂製のウッドデッキは天然木に比べてメンテナンス頻度が少なく、耐久性も高いため、手間を削減することが可能です。
ゴミや水が溜まりやすくなる
ウッドデッキを設置することで、ゴミや水が溜まりやすくなる可能性があります。
これは、ウッドデッキの構造上避けられない課題の一つです。ウッドデッキには通常、板と板の間に溝があります。この溝は見た目の美しさを演出するだけでなく、雨水の排水を助ける役割も果たしています。
しかし、同時にこの溝がゴミやほこりを溜め込む原因にもなるのです。知らず知らずのうちに溝にゴミが溜まっていき、時間が経つとそれが堆積してしまいます。
このゴミの堆積を放置してしまうと、排水機能が低下してしまい、最悪の場合、ベランダが水浸しになってしまう可能性もあります。
コケやカビが生えやすくなる
ウッドデッキを設置することで、コケやカビが生えやすくなるという可能性があります。これは、ウッドデッキとベランダの床面の間に生まれる環境が原因です。
この空間は日光が当たりにくく、さらにベランダの壁で風を遮断しているため、通気性が悪く、湿気がこもりがちです。そのため、ウッドデッキを設置していない場合に比べて、コケやカビが生えやすくなります。
対策としては、固定しないタイプのウッドデッキを選ぶことが挙げられます。このタイプであれば、定期的に取り外して掃除することが可能です。
固定式のウッドデッキの場合は取り外しが難しいため、掃除に工夫が必要となります。固定式の場合、デッキの隙間から高圧洗浄機などを使用して床面の汚れを取り除く方法が一般的です。
防水工事に合わせて取り外さなければならない場合がある
防水工事に合わせて取り外さなければならない場合がある
ベランダにウッドデッキを設置する際は、将来的な防水工事の可能性を考慮する必要があります。
ベランダは、雨水による雨漏れや建物内浸水を防ぐために防水加工が施されています。しかし、この防水加工も永久的なものではありません。素材や環境によって異なりますが、一般的に防水加工の寿命は5年から15年程度と言われています。
この防水工事の際には、ウッドデッキを一時的に取り外さなければならない場合があります。そのため、固定式のウッドデッキをご検討中の方は、この点に注意が必要です。
固定式は取り外しが難しいため、防水工事の際に大きな手間とコストがかかる可能性があります。
まとめ
まとめ
ウッドデッキを設置すれば、ベランダに新たな魅力と快適さをもたらすことができます。
ウッドデッキは設置タイプや材質によって、それぞれ特徴や長所、短所があるため、自分のライフスタイルや好みに合わせて選択することが大切です。
ベランダへのウッドデッキの取り付けに関する疑問やご相談は、エクステリア専門店のキロへ、ぜひお問い合わせください。