近年DIYなど自分で物を作ったりしている人が増えてきています。物置もネット通販で購入し自分で組み立てようと思っている人もいるかと思います。では実際物置はどのように建てられるのでしょうか?
そこで今回は物置を設置するためにどのような種類の工事があるのか、重要な点を紹介します。
1.標準組立・・・全ての物置に必要
2.転倒防止工事(アンカー工事)・ハツリ工事・・・全ての物置にあった方がよい
⒊ 傾斜調整工事(モルタル調整)・・・土間コンクリートやアスファルトだけ必要
4.土間打ち工事・・・必要になる方
1.標準組立
標準組立とは簡単に言ってしまえば、地面が土であることが条件として、コンクリートブロックを置き水平にし、その上に物置を組み立てていきます。
この工程を標準組立工事といいます。こちらの工程は全ての物置に必要な工事になります。 後述する転倒防止工事、傾斜調整工事は含まれていません。別途で料金が発生します。
2.転倒防止工事(アンカー工事)
物置が倒れないように付属のアンカープレートという物を使い地面に固定する作業です。アンカープレートとは物置に付属しているプレートです。 物置の四つ角にある穴にプレートを合わせて地面に固定する物です。
ここで転倒防止工事をしていない時の例をご紹介します。
最近台風や地震などの災害が多く物置が転倒してしまう事がよくあります。
しかしそのほとんどが転倒防止工事をされていない物置です。
当店では、90%以上の方が転倒防止工事を行っております。
他の10%の方は風が当たらないガレージの中や比較的転倒しても困らない場合が多いですが基本的に転倒防止工事をすることをおすすめします。
では転倒防止工事とは具体的にどのような工事なのかご紹介します。
転倒防止工事には、地面の状況により工事内容が異なります。
地面が土の場合
まず地面が土の場合、物置の四つ角に幅20センチ深さ30センチの穴を掘ります。
アンカープレートを入れモルタルを流し込み固定する工事です。
土のままではアンカープレートを固定できない為、モルタルを使用し固定します。
地面がコンクリートの場合
次に地面がコンクリートの場合、アンカープレートを固定する場所を決めアンカーボルトに合った穴を振動ドリルで開け、そこにオールアンカーというビス止めのようなものをハンマーで打ち込み固定します。
地面がコンクリートで硬いのでオールアンカーを打つだけで固定できます。
コンクリートの場合であれば自力でも出来ますが振動ドリル、オールアンカー、ハンマーの準備が必要になります。
オールアンカーは付属していないのでホームセンターでお買い求めください。
地面がアスファルトの場合
最後にアスファルトの場合、コンクリートより柔らかい素材のためオールアンカーは使用できません。
専用の工具で20cm角に切り込みを入れてアスファルトを剥がします。
この工事をハツリ工事といいます。
削った後は、土の場合と同様に四つ角に穴を掘り、アンカープレートを入れモルタルを流し込み固定をします。
転倒防止工事は穴を掘ったり、単純な作業ばかりなので自力でもできる工事です。しかし自力でやるのにも面倒な工事でもあります。まず深さ30センチの穴を掘るのにも一苦労しますし、掘り出した砂の処分、セメント25㎏を1袋、砂15㎏を5袋、水、電気器具の購入などにも無駄なお金や労力を使ってしまいます。なので専門的な人や施工業者に依頼する事を強くお勧めします。
3.傾斜調整工事(モルタル調整)
ほとんどの舗装面には傾斜がついているのを皆さんご存じですか?雨水や水が溜まらないように必ず傾斜があります。こちらの画像をご覧ください。
地面がどちらに傾斜しているかお分かりになりましたか?
正解は画像の左側に傾斜しています。
分からない人のほうが多かったと思います。先程の標準組立の工程にあったコンクリートブロックを水平にしなければいけない為とても大変で時間の掛かる作業になります。
ではどのように水平にするのでしょうか?
こちらも地面の素材によっ工事が異なっていますので紹介します。
1つ目は、地面が土の場合です。土の場合は地面を掘ったり、盛る事で水平にできます。こちらは多少の傾斜の場合は、標準組立に含まれている内容です
2つ目は、地面がコンクリートやアスファルトの場合です。先程の土の場合との違いは、地面を掘ることができない点です。そのため傾斜とコンクリートブロックの間にモルタルをはさみ水平にします。
モルタルとはコンクリートを作る時に使うセメントと砂と水を混ぜた物です。
作り方はまず砂とセメントを砂の色がなくなるまでよくかき混ぜて水を入れます。
水を入れた後もよくかき混ぜます。水の量は天候や用途にも異なります。
この工程(水平にすること)を疎かにしてしまうと、物置の扉の立て付け悪くなり扉が閉まらない事やネジが上手く閉まらず組立できない問題にも繋がってしまいます。
そのため傾斜調整工事(モルタル調整)は非常に重要な工事です。
4.土間(コンクリート)打ち
標準組立工事する前に地面にコンクリートを流し込む工事です。
皆さんはどこが土間打ち工事を行っているかお分かりでしょうか?
正解は、写真の下側白い部分です。
コンクリートを打つ事でアンカー工事は簡単にできるメリットがあります。
ただし傾斜調性工事が必要になります。
こちらの工事はたくさんのコンクリートを使用するため大量のセメント、砂利、砂、水が必要になります。
さらに型枠工事や仕上げなど専門的な技術が必要になるため未経験の方は自力で組み立てる事はお勧めしません
いかかがでしたか? ここで注意点と重要点をおさらいしましょう。
・地面には必ず傾斜があり、それを水平にすることが大切
・水平にしないと扉の立て付けやネジが回らなくなる
・物置が転倒しないために転倒防止工事が大切
・転倒防止工事の際地面の状況により工事が異なる
・モルタルを作る際、水、電気が必要なので水道と電気が通っている場所が必要
・転倒防止工事、傾斜調性工事、ハツリ工事は別途の料金が必要。
結論から申し上げますと自力で組み立てる事は難しいです。
物置を組み立てることは簡単に見えますが様々な工事や注意点があり繊細な作業が多くあります。さらにまとめの通り、重要点などが多く専門知識がある方は組立てるだけなら可能ですが、初めての方や心配な方には施工業者に依頼する事を強くお勧めします。